「なるほど、これがレイニー止めというものなのね・・・」
(福)はため息をついてカバーの掛かった文庫本を閉じた。『マリア様がみてる レイニーブルー』。「ロザリオの滴」で白薔薇ファミリーの、「黄薔薇注意報」では黄薔薇ファミリーの、それぞれ葛藤と和解を描いてきただけに、「レイニーブルー」の紅薔薇ファミリーもきっとハッピーエンドで終わるはずだ。そんなほのかな期待を見事に裏切られ、とはいえ一方では、いずれは落ち着くところに落ち着くだろうという楽観的な思いも抱きつつ、かといってまるで曇り空のようなもやもや感は晴れない。三か月もこんな気持ちでいたらどうにかなってしまうのではないか、などとぼんやり考えていたら、突然、背後から呼ぶ声が聞こえた。
「(福)」
「お兄さま!」
振り返ると、お兄さまが新聞紙を手に立っていらした。
「これは一体、どういうことかしら?」
「と、おっしゃいますと?」
「あなたのお嫁さんの話なんて、誰が興味を持つと思っていて? そんなことだから『浅さが出てしまった』なんて言われるのよ」
「でもお兄さま、私はきっと笑って読んで頂けると思って」
「世の中には真面目に物事をお考えになる方が、あなたの想像以上に多いのよ。以後注意なさい。あんまりみっともない姿をさらしていると、兄弟関係も考え直さなければならないわ」
それだけ言うと、お兄さまはさっさと行ってしまわれた。残された(福)は再び深いため息をつき、身をもって祐巳の心の内を味わった気分になった。
――というわけで、「レイニーブルー」読了しました。「Angel Heart Club」のよしりんさんが4月20日付で
せっかくだから(福)さんには“レイニー止め”を推奨。『マリア様がみてる レイニーブルー』読後の悶々とした気分をあえて楽しんで欲しいです。
そもそも私に「マリみて」を薦めて下さった三月さん――本当にありがとうございます――も、日記(4月20日付)で
いよいよ次回は山場に突入ですね
そして当サイトにコメントを寄せて下さったエンペラーさんも
「マリア様がみてる」は次の「レイニーブルー」を読了した後、しばらく放置すると良いと思います(三ヶ月ほど) 通称「レイニー止め」と言われる、リアルタイムの方々のお願いです(っていうか・・・
と、それぞれお書きになっていますが、これが各所で言われていた「レイニー止め」か・・・とまさに実感しているところです。最終的には絶対ハッピーエンドで終わるってことは、続刊が次々出ている今の段階では分かっているわけですが、新刊をリアルタイムで読んでいた人は、「パラソルをさして」までの三か月間、気が気ではなかっただろうなあ、と。
実はもう「パラソルをさして」は買ってあるのですが、最低でも今晩は、この気分に浸っていようと思います。でも、あんまり長くは持たないかも。
個人的には「ロザリオの滴」が、前に書いた「白き花びら」「紅いカード」に並んで好きな話でした。どうも白薔薇ファミリーに共感を抱くんですよね。自分と似ている所があるような感じがして。あと、「チェリーブロッサム」の表裏に続き、同じ期間の出来事を白、黄、紅それぞれの視点で描く手法もやはり効果的です。
(福)とお兄さまの話の続きは、「パラソルをさして」を読み終わってから――書きません(笑)。なお、当然ながらこの物語はフィクションであり、実在のお兄さま(笑)とは一切関係ありません。
Posted by fuku at 01:34 | zakki | トラックバック (0)