2003年12月05日

「かいけつゾロリ」と「プレコミックブンブン」

実は3日からきょうまで、9月に続いて再び満州はハルビンに行っていたのでありました。今回はマイナス十何度という世界で、寒いというよりは痛いという表現が適当なぐらいのすさまじい気温でした。その準備やら行く前にかたづけねばならない仕事やらで更新が滞りましたが、とりあえずずっと書きたかった表記のテーマについて。ハルビンのことも後ほど書くかもしれませんが。

先日行われた「かいけつゾロリ」のアニメの制作発表をのぞいてきました。原作は原ゆたか氏の児童文学で、これまでに34作、計1100万部以上も出ているんですね。作品は全然知らなかったのですが、どうやら小学校低学年の子やその親の間ではかなり知られた存在のようで。ゾロリの声は山寺宏一さん――ここで白状するとあのコーナーも実は私が担当しておりまして、あれは痛恨のチェック漏れでした――、音楽は「あの」田中公平氏、監督は「あずまんが大王」や「ガドガード」などの錦織博氏。なかなかに期待できそうな感じです。

原氏が、これらのスタッフの起用について、「最高のスタッフで作って頂いて」と心底うれしそうに話していたのが印象的でした――「山寺さんはだめもとで名前を出したら実現して」とか、「田中さんはジョン・ウィリアムズよりやってもらいたい人」とか――。アフレコにも通って、声優さんを見るたび「あ、あれはエヴァの誰々だ」とか思ってらっしゃるそうで、非常に「ある種のにおい」を感じ取ってしまったのでありました。もちろん、お話も大変面白くて、作品に対する考え方もしっかりした真摯なものでしたので、やはりこういう物語の作者の方はひと味違うなあ、とも思いましたが。

それより何より、これに出席して一番驚いたのが、「ゾロリ」の発行元であるポプラ社が、児童向け月刊漫画雑誌「プレコミックブンブン」を創刊する、ということでした。6日発売ということなので、そろそろ出回ってるのでしょうが、会場で現物を閲覧することもできました。

「ゾロリ」や「ズッコケ三人組」、「学校の怪談」、「いたずらまじょ子の大冒険」――これ、まじょ子が大変かわいくてよいです。萌えました――など、同社が抱える優良コンテンツのコミカライズをはじめ、いがらしみきお氏の「ペケペケペケル」、中川いさみ氏の「クータマ」といった非常に期待できそうなギャグ――いがらし氏には「忍ペンまん丸」がありますが、中川氏の子供向け漫画って初めてじゃないでしょうか――や、タケカワユキヒデ氏原作の「ともだちロボットギタローくん」、魔女っ子アイドルものの「フェアリーアイドルかのん」、定番(?)の忍者野球ものや近未来ファンタジーもの、超能力ものなど、結構期待できそうなラインアップが並んでいます。ネット上であまりちゃんとしたソースが見つけられないのですが、ポプラ社のトップページからのリンクか、あるいはこの辺りが比較的詳しいかと。

編集には、マッグガーデンが協力しているということです――さすがにいきなり一からコミック誌を立ち上げるのは大変でしょうし――。2号以降は尼子騒兵衛氏なども登場するということで。路線としては、既存の児童向け漫画誌から無意味な暴力やどぎつさを抜いた、より児童文学寄りの漫画誌を目指す、ということなんでしょうね。

この雑誌についても、実はこの日まで全然知らなかったのですが、ポプラ社刊の書籍にはチラシは折り込み済みということで、「ゾロリ」と同じく、確実に情報を届けたい層には実はちゃんと届いているのかもしれません。「コロコロ」「ボンボン」相手に一矢報いることができるかどうか、ぜひとも健闘してほしいところです。個人的には、意外と大化けするかも、という感触を持っているのですが。

Posted by fuku at 21:45 | anime , manga | トラックバック (0)
コメント

童話の漫画化なんて、活字離れを助長しないだろうか?

Posted by: 無銘 at 2003年12月06日 11:32

追記。
夕刊拝読。
早すぎるよ、まだ2ヶ月近くあるのに(笑)

Posted by: 無銘 at 2003年12月06日 15:42

内田さま

紺野キタ氏の単行本がポプラ社から出ていたとは知りませんでした。でも、意外ではないような気もしますね。「ブンブン」現物を入手し、広告を見て知ったのですが、中川いさみ氏もすでに同社から「学級王子」という子供向け漫画を出しているんですね。何かの連載をまとめたのかもしれませんが。
http://www.poplar.co.jp/shop/shosai.cgi?shosekicode=49000760&page=1&seriesno=&keyword=中川いさみ&isbn=&shomei=&shomei_kana=&sakusha=&sakusha_kana=&series=&series_kana=&stsuki=&snen=&kcategory=&knenrei=&khakkoubi=&kensuu=20&osusume=&osusume2=&theme=&e=&sakka=

無銘さま

>童話の漫画化なんて、活字離れを助長しないだろうか?
それはむしろ逆で、漫画を読んだ子供が原作の本に向かう動機付けになる側面の方が大きいような気がします。というのは、ひょっとしたら原作の漫画化よりも原作そのものの方が面白いかも、と思うからです。

「子供が本を読まなくなったのは、面白くないからではないか。児童書というと、どうしてもお勉強の一環で、面白くなくなってしまう。絵本も漫画もアニメもゲームも、同じ土俵で戦えないか」。原氏が制作発表でおっしゃっていたのですが、面白ければ活字の本でも読んでもらえるんだという、自負と事実に裏付けられた言葉だと思いました。

>早すぎるよ、まだ2ヶ月近くあるのに(笑)
「ブンブン」の発売に合わせた・・・というのはやや言い訳めいていて、ハルビン行きの準備で時間がなくて、手近のネタを使ってしまったというのが真実に近いかも(汗)

という訳で「ブンブン」創刊号をちゃんと読みましたが、やっぱり「いたずらまじょ子の大冒険」はよかった。「宝もの」を見つけたまじょ子ちゃんに胸キュンです。原作とは全然違う絵柄のようですが、これは好選択と言えるでしょう。いろんな意味で。全体的には、当然ながら「子供には面白いんだろうなあ」という作品が多いと思いましたが、「ペケペケペケル」(さすがいがらし氏)や「ファントム!」(既視感はありますが)、「タロットマスター」(一瞬「遊戯王」かと思いましたが)辺りはなかなか良いかと。あと、「まじょ子」に並ぶ萌え系として「フェアリーアイドルかのん」にもとりあえず注目。

Posted by: fuku at 2003年12月07日 18:47

>かた「ず」けって かた「づ」けじゃないの?
http://comic2.2ch.net/test/read.cgi/asaloon/1062105476/903
ご指摘の通りですね。直しておきました。いくら推敲がおざなりとはいえ、お恥ずかしい限りです。

Posted by: fuku at 2003年12月07日 19:10
コメントする












名前、アドレスを登録しますか?